事務所通信

贈与税⑥

今回は前回に引き続き、教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税についてご説明をさせて頂きます。この制度は前回ご説明しましたように、祖父母などから30歳未満の子や孫などに対して教育資金の目的で一括贈与をした場合、受贈者1人につき最大1,500万円が非課税となる制度です。

ただ、本制度には以下のような注意点もあります。

①贈与者が死亡した場合

贈与をした日から教育資金管理契約終了の日までの間に、贈与者が死亡した場合ですが、本制度の贈与は相続財産の対象とはなりません。ただし、使い残しの部分の金額については、「贈与者(被相続人)」から贈与があったものとして贈与税が課されます。

②教育資金以外の使用

教育資金以外の目的で口座から引き出した場合や、教育資金に支出したが領収書等を提出しなかった場合などについては、口座の残高がゼロであったとしても、贈与税が課税されることになります。

30歳になっても残高が残っていた場合

贈与者が死亡後に受贈者が30歳に達した場合は、一般の暦年贈与として課税されることとなります。そのため、残額が110万円以下であれば贈与税の基礎控除内ですので無税になります。

以上のように、注意すべき点もありますので、本制度の活用を考えられる場合はこれらを踏まえてご検討頂ければと思います。

ただ、そもそも日常的に必要な生活費や教育費の贈与に対しては贈与税の対象となりません。この贈与税の対象とならないのは、必要な都度、直接負担する場合に限ります。そのため、将来を見越しての教育費などの贈与は贈与税の対象となりますので、その場合は、本制度の活用をご検討して頂く方がよろしいかと思われます。

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