事務所通信

源泉所得税①

今回からは年末調整も近づいてきましたので、「源泉所得税」に関わる注意点について数回にわたりご説明したいと思います。

以前の事務所通信と重なる点などあるかもしれませんが、ご訪問時やご質問時などのお話を通じて、特に注意していただきたい点を中心に進めていきたいと思います。

1回目は「給与所得者の扶養控除等申告書」についてご説明します(以下、「扶養控除申告書」)。こちらは、年末調整時に「給与所得者の保険料控除申告書」と併せて、翌年の分を社員の方に書いていただき、保存することになっていることはご存知かと思います。ただ、途中入社された方がいた場合や、1カ月に満たない社員やアルバイトの方を雇用された場合に、この「扶養控除申告書」を書いていただいていない場合が非常に多いのです。そもそもこの「扶養控除申告書」は、給与の支払を受ける人(社員やアルバイト)は、毎年最初の給与の支払を受ける前までにこの「扶養控除申告書」を給与の支払者(会社)に提出しなければならないことになっています。また、2ヶ所以上から給与の支払いを受けている人は、主たる給与の支払者へこの「扶養控等申告書」を提出しなければならないのです。(逆に言うと、2箇所には提出出来ません。)

そして、この「扶養控除申告書」を提出している社員やアルバイトの方に対して、給与の源泉所得税を計算する場合には甲欄を用います。逆に、提出がない場合は乙欄で源泉所得税を計算します。

この甲欄と乙欄の違いですが、月額給与が80,000円で社会保険など未加入であれば、甲欄では所得税はなく全額支給となる一方、乙欄では2,450円を徴収して差引77,550円を支給することになります。

アルバイトの方を短期間雇用した場合や入社後すぐに退社された方で、「扶養控除申告書」の提出を受けていないのに、給与の額があまり高くないということで、全額支給していることが見受けられます。しかし、「扶養控除申告書」の提出を受けていない場合は、たとえあまり高くない給与でも源泉所得税の徴収義務はありますので、くれぐれもご注意ください。

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