事務所通信

贈与税⑨

今回は、債務免除による贈与税についてご説明させていただきます。

この債務免除は、借入金などの債務がある人がその債務を免除してもらったり、他人に肩代わりをしてもらうことになります。そのため、本来は支払うべき債務が免除されたことにより利益を得たことになりますので、債務免除された部分については贈与税の対象となります。

たとえば、子に1,000万円の借金があり、親が肩代わりして全額返済した場合は1,000万円の贈与があったことになりますので、1,000万円に対して贈与税が課せられることになります。しかし、その債務免除を受けた方に資金力がなく債務の返済が不可能である事が明らかな場合には、その贈与された部分が非課税となる事があります。ただ、その債務免除を受ける方が債務超過をおこしているなど社会通念上債務の支払が不能と認められる場合に限られるため注意が必要となります。

また、法人の場合、役員の方が会社の運転資金や設備投資に資金を投入する(役員借入金)ことはよく見受けられますが、この役員借入金は相続税の対象となります。そこで、相続財産を圧縮するために、役員借入金を放棄(債務免除)する方法があります。ただ、法人は債務免除を受けたことによりその分の利益が生まれるため、繰越の損失がある場合など慎重に行う必要がありますので、検討される場合はご相談を頂ければと思います。

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