事務所通信

源泉所得税⑨

今回は社会保険に加入している会社が、給与からその社会保険料を徴収している場合に、本来社員が負担すべき社会保険料を会社が負担した場合の源泉所得税についてご説明します。

社員に対して育児休業制度などを採り入れている場合、育児休業中において無給となるため、その間の社会保険料を会社が負担した場合、本来社員が負担しなければならない債務になりますので、負担した社会保険料は給与とみなされ源泉所得税の対象となります。この場合は社員が社会保険料を支払ったことになりますので、年末調整時に社会保険料の控除の適用は受けることはできます。

ただ、上記における育児休業は、会社独自の育児休業制度における説明ですので、公的な制度要件を満たした場合は社会保険事務所へ届出を行うことにより社会保険料の一定期間の免除を受けることはできます。

また、社員が病気や怪我などにより休まれた場合、傷病手当などの支給を受けていても社会保険料の支払い義務はありますので、その分を会社が負担すればこちらも源泉所得税の対象となります。

補足ですが、社員が病気などになり医療費の一部を負担した場合などは受給者の地位や職務内容に関係なく、一定のルールに従い社会通念上高額でなければ給与として扱う必要はないため、源泉所得税の対象とはなりません。

今回の社会保険料を会社が負担することにつきまして、一月当たりの金額はあまり大きくありませんが、これが数カ月続くと金額も大きくなります。社員の方が数カ月にわたって休暇される場合には速やかに各種手続きや社会保険料の支払いなどお話ししていただくのがよろしいかと思います。

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