事務所通信

所得税Q&A 5

今回は前回に引き続き、不動産所得、特によくある事例をもとにご説明したいと思います。

たとえば、Aさんが所有している土地をB会社に貸付け、そのB会社が建物を建てるとし、Aさんが権利金1,500万円、保証金2,500万円を受取った場合について簡単にご説明します。この場合、土地の上に建物を建てる権利、つまり土地の一部分を譲渡したと考えられます(契約の内容や実態によります)。そのため、Aさんは不動産所得のほか、譲渡所得が発生するのです。

つまり、権利金を不動産所得に入れるだけでなく、譲渡所得の申告が必要となりますので、土地の貸付けには十分にご注意ください。

次に、不動産の契約書に「貸主に正当な事由が生じて契約を解除する場合は全額返還するが、それ以外の場合は契約の終了時に敷金の90%を返還する。」といった内容がたまにあります。この場合、途中の契約解除といった不確定要素は発生するまで考慮する必要はありませんので、返還の必要のない10%敷金をその年分の不動産収入として処理いたします。

その次に、不動産賃借料の収入金の計上次期につきましてご説明したいと思います。

賃借料の収入の時期(前払いや当月払いなど)にはいろいろありますが、原則として支払いを受けた日に属する年分の収入とします。つまり、その年に支払を受けた賃料は、その年の収入となります。しかし、賃料の前払いというのはよくあります。そこで、前払い分は翌年の収入として処理することも、一定の条件を満たせば可能となります。つまり貸付期間に対応した分の賃料を収入として計上してもよいことになっていますので、こちらもご注意下さい。

簡単に不動産収入について注意していただきたい点を簡単にご説明しました。個々の事案により事情が変わってきますので、ご参考にしていただければと思います。

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