事務所通信

「法人決算の仕組み②」

前回に引き続き、法人決算の仕組みをご説明していきます。一年間の経理を終え、会社の利益と法人税が課せられる課税所得がなぜ一致しないかという原因を取り上げて見ます。

皆様がよく知っておられる項目としては、「交際費」の一部が経費にならないというものです。仮に一年間で十万円の交際費を費やしたとします。会計上では十万円全額が経費となり、それに基づいて利益が算出されます。

しかし、税額を計算する為に法人税法に従い、税務調整という作業を行なうと、交際費の一部、つまりこの場合では一割に当たる一万円が経費として認められなくなります。そのため、その一万円分は利益(所得)となるのです。

少し余談ですが、この交際費の一部にあたる一割が経費として認められないのは、「租税特別措置法」というもので、その名のとおり特例であり、期間が定められたものなのですがここ数年は継続されています。この「租税特別措置法」はいろいろありますので、詳細はまたの機会にお話します。

本題に戻ります。このような税務調整が法人税法上定められているので、会社の利益と法人税が課せられる課税所得が一致しないのです。

このように、法人税法上、経費として認めないものや、逆に認めるものなどは複数あり、また、その会社の規模や所得金額などにより適用条件も様々です。そのため、こういったものが経費として認められる・認められないということを事前にすべてを把握するのは難しいですが、個別の会社ごとに適用されるであろう項目は出来るだけ事前に検討し、お伝えするようにはいたします。

内容が少しややこしくなってしまいましたが、これもまた個別にご質問をいただければお答えしますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

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