事務所通信

贈与税⑫

今回は、前回に引き続き非居住者に対する贈与についてご説明させて頂きます。

この非居住者に対する贈与は、平成29年度の税制改正で見直しが行われましたので、その点を踏まえまして、本制度の説明を簡単にさせて頂きます。

贈与者と受贈者の双方の海外居住期間(日本国内に住所を有していない期間)が5年を超えている場合、贈与税(相続税も同様)の対象となるのは日本国内にある財産のみとなります。ただ、29年度の改正により対象期間が5年から10年となり、範囲が拡大されています。

また、贈与時(相続時)に贈与者(贈る側)が日本国内に住所がなく、また、受贈者(受ける側)が日本に住所がなく、日本国籍も有していない場合には、国外財産の贈与(相続)は課税の対象外となっていました。しかし、今回の改正で贈与者(贈る側)が過去10年以内に日本国内に住所がある場合には、国外財産も課税の対象と改正されております。

このように非居住者に対する贈与(相続)は贈与者と受贈者の住所や国籍、その年数により課税される場合とされない場合があります。また、今回の改正により、本制度を活用して贈与税(相続税)が課されないようなケースに対応するために、課税対象を拡大したものとなっております。

逆に、日本に住所のある外国人で一時的に滞在をしている場合等には、贈与税(相続税)の課税対象を今回の改正により「国内財産及び国外財産」から日本の「国内財産」のみに限定しております。

国際化が進む中、贈与や相続時に課税の対象となる場合、ならない場合がありますので、ご注意いただければと思います。

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