事務所通信

第十二回 今日からできる節税について 開業時の経費編

 いつもお世話になっております。GWが終わったかと思うと、3月決算法人の申告時期です。もうすぐ梅雨が来て暑い夏が来て・・・考えることは多いですが、一歩一歩着実に進みましょう。

さて、今回は【法人の設立時にかかる費用】についてご説明したいと思います。

法人が設立されるまでに要したさまざまな費用のうち、法人が存在していない段階での経費は一体誰の負担になるの?と単純に疑問に思う方もいらっしゃると思います。法人を設立するために必要な費用ですから、当然にその法人の経費となります。すでに商号が確定している場合には、会社名にて領収証等を発行してもらい、設立後に法人との間で立て替えた設立経費の精算を行いますが、設立にかかった費用は【創立費】として繰延資産計上し、償却費という形でその後の法人の経費として処理していきます。

【創立費となる費用の具体例】

①定款作成費用、定款の認証手数料
②設立登記に必要な登録免許税、司法書士への手続依頼報酬
③株式払込手数料、金融機関の取扱手数料
④発起人への報酬、設立事務所の家賃、設立事務所職員給与 等

また創立費とは別に、会社を設立してから営業を開始するまでの間に特別に支出した費用は【開業費】という繰延資産になります。

【税務上の開業費の範囲】

開業のために特別に支出した広告宣伝費、接待費、旅費交通費、調査費等が対象となります。開業前の支出であっても、経常的に発生する使用人給与、電気・ガス・水道代、家賃、支払利息などは税務上の開業費には含まれません。

創立費や開業費などの【商法上の繰延資産】は、法人税法上は任意の償却が認められています。つまり帳簿価額に達するまで、毎期の償却額を任意に決めることができ、一時に全額償却したり、しばらく償却しないことも可能です。経費としたい時期に損金処理が可能ですので、例えば当面赤字が続きそうな場合には、繰延資産計上して経費処理を先送りし、利益が出たときに償却するような調整ができます。

このような処理が出来るのも開業前の領収書等はしっかり保存しておいていただき、内容も解り易くしておくことが大切です。こういったことも節税に繋がりますので注意しておいてください。

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