事務所通信

第十一回 今日からできる節税について 貸倒損失編

いつもお世話になっております。所得税・消費税の確定申告が終了し、はや一ヶ月が過ぎましたね。思えばこの二カ月ほどの間に季節も過ぎゆき、桜の季節かなと思えばもう散る時期で、そういう間にGWが来て半袖の季節ももうすぐです。

話が飛躍しました。さて、今回は【貸倒損失】についてご説明したいと思います。

【貸倒損失】とは端的には金銭債権が貸倒れとなった場合に、その貸倒れによる損失を損金とすることができるというものです。

つまり債権が回収不能により資金回収できていないのに、税金ばかりを納めていては資金繰りに苦慮します。そんな時に該当すれば適応できる制度です。勘違いしがちなのが、先に売上等の【益金】に計上した債権が貸倒れになった時に【損金】に計上できるものです。つまりは損益をトントンにはできても、【損金】を増やすことはできませんのでご承知して下さい。

貸倒損失の税務要件は厳しいですが、要件を把握したうえで、該当するものについては正しく損失計上して税負担を和らげたいものです。

【貸倒損失が計上できるケース】

(1)法律的な債権の消滅
ア)会社更生法等の更正計画の認可決定
イ)債権者集会等で合理的な基準により債務切捨てが決定したとき
ウ)債務超過が相当期間継続している債務者に対して、書面により債務免除したとき

※ア)・イ)の場合は決定により切り捨てられた額、ウ)の場合は免除した額が貸倒損失となります。

(2)回収不能と認識されるもの
債務者の資産状況、支払能力等から、全額回収できないことが明らかとなったもの

(3)売掛債権の特例
ア)継続的な取引先との取引停止後一定期間経過したとき
イ)同一地域内の売掛債権総額が、取り立てに要する旅費等に満たないうえ、再三の督促にもかかわらず弁済されない場合

などが貸倒損失を計上できるケースです。

やはり、損金つまり経費を計上できるわけですから、非常に難しい要件が課されています。皆様におかれましては売掛金の回収が滞ったときなど、これらの用件に当てはまりそうと思われたときは当事務所にご相談下さい。

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