事務所通信

相続税の仕組み⑩

今回は、相続税における平成25年度税制改正についてご説明させていただきます。今回の改正では、平成27年1月1日以後に発生する相続(平成27年1月1日以降にお亡くなりになった方の相続)において、相続税がかからない「基礎控除額」が縮小されました。

現行制度における基礎控除額は以前にもお伝えしましたが、
・5,000万円+1,000万円×法定相続人数

となりますので、法定相続人が3人の場合、5,000万円+3,000万円となり、課税遺産総額が8,000万円以下なら申告納付は不要です。

ところが、今回の改正はこの基礎控除が6割の水準に引き下げられましたので、
・3,000万円+ 600万円×法定相続人数

となり、法定相続人が3人の場合、基礎控除が3,000万円+1,800万円になりますので、課税遺産総額が4,800万円以下なら申告納付が不要になるというものです。

現行制度と新制度を比べていただくと解ると思いますが、基礎控除額が引き下げられたことにより、近年では死亡した方の約4%だけが対象となる相続税が約6%になるといわれています。そのため、今まで申告が不要であった方までも申告が必要になることもありますのでご注意ください。

また、同時に相続税の最高税率が50%から55%に引き上げられる改正も行われましたので、相続財産が2億円を超えてきますと税負担が増すことになります。

一方で小規模宅地の特例の見直しが行われました。こちらも以前少しお伝えしましたが、一定の要件のもと、その土地の評価を50%もしくは80%減額できるものです。この特例は現行制度上、限度面積が240㎡ですが、改正後は330㎡に拡大されることとなりました。ただ、全体として増税となり、相続税の申告が必要な方が増えますので、出来るだけ事前に現状の総財産を把握される等の対策を考えておかれた方がよろしいかと思いますので、ご質問等がございましたら当事務所までお問い合わせください。

タイトルとURLをコピーしました