事務所通信

相続税の仕組み④

今回は、相続財産を計算するに当たり税負担を軽くする軽減措置についてご説明します。この軽減措置には、相続の遺産金額そのものを軽減する特例と、算出された相続税そのものを軽減する特例とがあるのですが、その中でもっともポピュラーな「小規模宅地等の特例」と「配偶者の税額軽減」についてご説明したいと思います。

まず、遺産金額を軽減する特例の「小規模宅地等の特例」とは、「被相続人の居住用のマイホームや店舗・工場などの事業用の土地であり、その土地の評価に当たり50%もしくは80%の評価減をすることができる」という特例です。

これは、家族で住んでいた自宅とか商売をしていた店舗とその敷地しか財産がない場合などに多額の相続税が発生すると、納税のために家や店舗の売却をしなければならなくなりますので、それを防ぐための減額措置といえます。

次に、相続税額そのものを軽減する措置としての「配偶者の税額軽減」とは、難しい計算式を要しますのでそちらを省き、簡単にご説明しますと、配偶者については相続した遺産の金額が1億6,000万円以下であれば相続税額は発生しないというものです。これは、夫婦の財産は2人の協力で築かれたものという考え方に基づき、残された配偶者の負担を軽減しようという配慮から生まれた軽減措置といえます。

以上、簡単にですが軽減措置としてよく見受けられる2つについてご説明をしました。ただ、「小規模宅地等の特例」であれば適用できる面積や状況により減額割合が変わりますし、「配偶者の税額軽減」であれば1億6,000万円を超えても相続税額が発生しないこともあります。また、これらの軽減措置は遺産の分割が完了しており、期限内に申告書を提出しているなどの要件が必要となりますので、ご参考として見ていただければと思います。

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