事務所通信

源泉所得税⑭

今回は賞与を支給した場合の源泉所得税についてご説明させて頂きます。すでに賞与の計算を何度もされている方には見直し程度に一読いただければと思います。

まず、賞与の額が決まりますと、社会保険料と雇用保険料を算出します。そこで、例として賞与の額480,000円(扶養1名、47歳)と仮定します。

社会保険料は毎月のお給与から徴収する金額とは異なり、保険料率を掛けて計算することになりますので健康保険料は、480,000円×10.06%=48,288円となり、本人負担額はこの半分となりますので、24,144円となります。

次に厚生年金保険料は、480,000円×17.474%=83,875円となり、本人負担額はこの半分となりますので、41,937円となります。

また、この賞与を受取る方が40歳以上65歳未満の方と仮定していますので、介護保険料が発生します。その介護保険料は、480,000円×1.72%=8,256円となり、この半分である4,128円が本人負担となります。

次に雇用保険料につきましては、毎月のお給与と同じ雇用保険料率を賞与に掛けますので、一般の事業であれば480,000円×0.5%=2,400円となり、この額は全額本人負担となります。

続きまして源泉所得税の計算ですが、こちらも「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を用いて税率を導きます。まず、前月の給与から社会保険料と雇用保険料を引きます。例えば、前月の総支給額が341,000円であり、社会保険料が49,731円、雇用保険が1,705円であれば、341,000円-49,731円-1,705円=289,564円となり、この金額を「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」に当てはめます。その当てはめた税率を賞与から社会保険料等を引いた額に掛けて源泉所得税を算出します。今回であれば、当てはめた税率が6.126%となりますので、480,000円-24,144円-41,937円-4,128円-2,400円=407,391円×6.126%=24,956円が源泉所得税となります。

また、社会保険・雇用保険に加入していない場合は、前月の給与341,000円を「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」に当てはめます。その税率が8.168%となりますので、480,000円×8.168%=39,206円が源泉所得税となります。

以上のように、賞与の源泉所得税の計算は前月の給与を参考にするため、少し複雑となりますのでご注意下さい。

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