事務所通信

源泉所得税⑤

今回は役員や従業員の方に社宅を提供したときの源泉所得税についてご説明します。

まず、この社宅ですが会社所有の住宅であるか、または会社が家主と賃貸借契約を締結した住宅であることが前提となります。つまり、役員や従業員の方がご自身で賃貸借契約を行っている賃料について、会社が負担した賃料については金額を問わず、すべて給与として取り扱われ、源泉所得税の対象となりますのでご注意ください。

今回は上記のうち、会社が借りた社宅を役員や従業員に提供した場合についてですが、この場合、賃料の全額を会社が負担すると「給与」となりその金額すべてについて源泉所得税の対象となります。しかし、賃料の一部を役員や従業員が負担すれば給与として取り扱われず、源泉所得税の対象とはなりません。例えば、家賃20万円を会社が負担しても、本人が会社に10万円支払った場合、差引10万円負担してもらいますが、この10万円については「給与」として取り扱われることはありません。

ただ、この本人が負担すべき金額をいくらにすべきかについては、具体的に税法で決められており、計算が少し複雑になりますので大まかな判断基準をご説明します。

まず、その社宅が豪華でないこと、つまり広すぎたり、内外装が立派であったり、賃料が高すぎるとそもそも社宅として認められません。また、すべてに当てはまるわけではありませんが、賃料総額の50%以上を本人が負担していれば給与として取り扱われることもあまりありません。

この社宅は上手く活用すれば節税にも繋がりますが、細かい規定が税法で定められていますので、間違った活用をすると給与として取り扱われ、源泉所得税の対象となります。そのため、社宅として賃貸借契約をお考えの場合は、事前にご相談いただくのがよろしいかと思います。

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