事務所通信

減価償却⑥

今回は資本的支出と修繕費についてご説明させていただきます。

まず、修繕費とは建物や車両などの固定資産の修理や改良等のために支出した金額のうち、その固定資産の維持管理や原状回復のために要した金額が該当し、支出した金額が全額経費として認められます。具体的には次のような支出となります。

①老朽化した設備の復旧費用

②部品の交換などの維持管理費

③おおむね3年以内の期間を周期として行われる修理、改良

④賃貸用マンションなどの退出時の原状回復費用

次に、資本的支出は、その修理や改良等が固定資産の使用可能期間を延ばしたり、価値を増加させるものが該当し、その支出した金額は支出したときに全額経費とはならず、減価償却資産として減価償却していくことになります。具体的には、次のような支出が資本的支出となります。

①建物の避難階段の取付けなど、物理的に付け加えた部分の金額

②用途変更のための模様替えなど、改造や改装に直接要した金額

③特に品質や性能の高いものに取替えた場合で、その取替えの金額のうち、通常の取替えの金額を超える部分の金額

(この判断は非常に難しいため、高性能・高品質への取替費用の一部が該当するというイメージでとらえて下さい。)

このように、固定資産に修理や改良等を行った際には、修繕費か資本的支出に分類されるのですが、修繕費に該当した場合は支出をした時点で全額経費となる一方、資本的支出に該当した場合、減価償却をしていくことが大きく異なる点となります。

また、修繕費に該当するのか資本的支出に該当するのかの判断が難しい場合もたびたびあるのですが、その場合は形式的な判断基準がありますので、次回はその形式基準についてご説明をさせていただきます。

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