事務所通信

減価償却⑤

前回まで減価償却の対象となる資産を購入した場合の耐用年数やその計算方法を簡単にご説明してきました。その前提となるのが新品の資産を購入した場合でしたので、今回は中古資産を購入した場合の耐用年数についてご説明をさせていただきます。

中古資産の耐用年数は、その固定資産の使用可能な期間を合理的に見積もって決めることが定められています。ただ、実際には合理的に耐用年数を見積り決定するのが困難であることが多いため、特殊な計算式で求めた耐用年数を用いて減価償却計算を行うことが認められています。この特殊な計算式は「簡便法」と呼ばれており、簡便法によった場合の耐用年数は以下のどちらかで求められます。

①中古資産が「法定耐用年数」を過ぎている場合

中古資産の耐用年数=法定耐用年数×20

たとえば、普通自動車の法定耐用年数は6年ですが、新車時登録から6年以上経過している中古車を購入した場合は、上記の計算式により次のように耐用年数を計算します。

法定耐用年数6×20%=1.22

ただし、算出された耐用年数が2年に満たない場合の耐用年数は2年とされ、2年以上の場合の1年未満の端数は切り捨てることになります。

②中古資産が法定耐用年数の一部を消化している場合

中古資産の耐用年数=法定耐用年数-経過年数+経過年数×20

同じく、普通自動車の法定耐用年数は6年ですが、新車登録から半年経過した中古車を購入した場合には、上記の計算式により次のように耐用年数を計算します。

法定耐用年数6年-経過年数0.5年+経過年数0.5×20%=5.65

算出された年数が2年以上のため、1年未満の端数は切り捨てることになります。

このように中古資産を購入した場合は、上記に求められた耐用年数を定額法もしくは定率法を用いて減価償却費を計算することになります。

タイトルとURLをコピーしました