事務所通信

法人税Q&A (その十)

前回に引き続き、法人が負担した保険料の取扱いについてのご説明で、今回は社員や役員を被保険者とする定期保険についてお話したいと思います。

定期保険は、一定期間内における被保険者の死亡に対する生命保険で、その保険料は掛捨てのため費用に計上されます。ただ、死亡保険金の受取が法人の場合と被保険者の遺族の場合とで、少し取扱いが変わります。

① 死亡保険金の受取人が法人である場合

定期保険には貯蓄性がないため、期間に応じて費用(損金)として取り扱います。

② 死亡保険金の受取人が被保険者の遺族である場合

原則として、会社の福利厚生費として、期間の経過に応じて費用(損金)として取り扱います。ただ、前回にご説明した内容と照らし合わせますと、保険金受取人が被保険者の遺族であるため、被保険者に対する給与に該当しないかという点が気になるところです。しかし、保険期間中に被保険者が死亡したときにのみ保険金を受け取れる保険に対する保険料を給与とするのは実情に即さないため、被保険者の給与とはなりません。

ただし、役員または部課長その他特定の社員のみを被保険者としている場合は、当該役員又は社員の給与となります。また、役員の場合は役員報酬をあらかじめ決めていますので、それを上回る報酬となった場合、費用(損金)となりませんのでご注意ください。

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