事務所通信

地方税⑩

前回は個人事業税のご説明をさせていただきましたので、今回は法人事業税についてご説明をさせていただきます。法人事業税は、法人が行うすべての事業が対象となり、法人の所得に対して課税され、法人の事務所または事業所(本店・支店・工場など)がある都道府県に納める地方税です。ただ、法人であっても、公益法人等において収益事業を行っていない場合や一定の事業におきましては、法人事業税の対象となりません。

次に、法人事業税の計算方法は「所得×税率」で計算されます。この「所得」は、年間の収益から費用を引いて算出される利益とは異なり、法人税法上の益金から損金を引いて求めることになります。ただ、この所得をご説明するのは難しいので、目安としましては、利益≒所得と思って頂ければと思います。そのため、所得(利益)が出ない場合は、法人事業税を納める必要はありません。

税率につきましては、年間所得金額400万円以下の場合3.4%、年間所得金額400万円超800万円以下の場合5.1%、年間所得金額800万円超で6.7%となっています。(平成26101日以降分の普通法人)

また、法人事業税は現状、法人事業税と地方法人特別税(国税)に別けられています。地方法人特別税は「法人事業税額×地方法人特別税の税率(43.2%)」によって求められるため、上記、法人事業税をもとに算出されます。この地方法人特別税は、地方の税収入の偏りをなくすために国が管理して、再配分するために設けられました。ただ、税負担としては変わっていないため、法人事業税が少なくなった分を地方法人特別税に振り分けているという仕組みになっています。そして、この法人事業税も個人事業税同様、損金(経費)となる点が他の税金と異なりますのでご注意ください。

以上、10回に渡り地方税のご説明をさせていただきました。地方税といっても様々な種類がありますので、ご参考にして頂ければと思います。

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