事務所通信

ボキ講座12

今回は皆様もよく耳にする減価償却の仕訳をみていきたいと思います。

たとえば、アパートを経営するとし、千万円を投じアパートを建て、二十年くらい貸し続けたとします。アパートを建てたときの仕訳は①になります。ここで、もし減価償却という処理がないとします。そして、二十年後に古くなって建物を取り壊したとします。その仕訳はとなります。何か変ですよね。アパート経営に必要だからアパートを建てたのに、費用となるのが取り壊したときにしかならないというのは。

では、アパートを建てたときに「建築費」という費用だと考え、処理したとします。その仕訳はとなります。

これも変な感じですね。アパートを建てた費用は初年度にすべて発生しているのは事実ですが、最初だけもの凄い費用が発生し、あとは費用がなく売上だけが発生することになるからです。

そこで、「減価償却」という仕組みを使うのです。「減価償却」とは、建物や機械といった資産を長く使う場合に、それを処分するまで「耐用年数」という決められた期間に応じて費用を配分していく仕組みなのです。

この場合、耐用年数を二十年とし、二十年間で費用を配分した場合、一年当たりは五十万円となります(厳密にはもう少し複雑な計算を要します。)。その仕訳が④となります。つまり、②と③の仕訳は間違いであり、①の仕訳で建物を購入し、④の仕訳でその建物の価値を少しずつ費用として処理していき、収益と費用を対応させていくのです。

① (借方)建物10,000,000  (貸方)普通預金10,000,000
② (借方)建物撤去損失10,000,000  (貸方)建物10,000,000
③ (借方)建築費10,000,000  (貸方)普通預金10,000,000
④ (借方)減価償却500,000  (貸方)建物500,000

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