事務所通信

ボキ講座11

今回は損失についてのお話しをしようと思います。あまりよくないお話なのですが、事業を進めていくと何らかの損失に出くわしてしまうのも避けがたいですので、取り上げておこうと思います。

損失の例としては、取引先企業の倒産や火事などによる建物の焼失、株価の下落などがあります。特に、身近に起こり得るものとしては、相手先の倒産ではないかと思います。そういった場合の損失についての仕訳を見てみます。

まず、の仕訳はよく見かける仕訳だと思います。売上をし、その代金をツケにしておいて、後日(1ヵ月後など)においてそのツケ(債権)を回収するパターンですね。

しかしの仕訳のように売上をした後、取引先会社が倒産してしまうと売掛という債権は持ってはいるが、の仕訳のようにその売掛金の回収ができなくなってしまいます。

つまり、の仕訳のように借方に損失の勘定科目がくるのです。この場合の勘定科目は「貸倒損失」となります。

また、火事などによる建物の焼失の場合はの仕訳になります。この場合、建物という「資産」が失われてしまうので建物という勘定科目が貸方にきて、借方には③の仕訳のように損失の勘定がきます。この場合の勘定科目は「火災損失」となります。

ところで、この損失はそうそう発生しないことから、決まった勘定科目名がなく、損失が発生したときにその内容を示す名前を付けることが多いので、勘定科目名にはこだわらずに、借方には損失、貸方には資産がくるとだけ覚えておいてください。

(借方)売掛金 10,000  (貸方)売上  10,000  
(借方)現金  10,000  (貸方)売掛金 10,000  
(借方)貸倒損失10,000  (貸方)売掛金 10,000  
(借方)火災損失10,000  (貸方)建物  10,000  

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