事務所通信

「財務分析」~その⑩~損益分岐点分析

 今回は損益分岐点分析を取り上げてみたいと思います。この損益分岐点とは、「利益がゼロの売上高」をいい、利益も損失もない収支トントンの売上高をいいます。

したがって、売上高がその分岐点を上回れば利益が発生し、反対に、分岐点を下回れば損失が発生する「採算点」をいいます。

その損益分岐点は、下記の算式を用いると算出することができます。ここで、聞き慣れない言葉として、「変動費」と「固定費」という言葉があると思います。そこでこの「変動費」と「固定費」のご説明からしていきます。

「変動費」とは、売上の増減に伴って変動する費用(仕入高、外注費、水道光熱費等)をいいます。

一方、「固定費」とは、売上が増減しても変動せず一定である費用(役員報酬、減価償却費、地代家賃、保険料等)をいいます。

この「変動費」と「固定費」の仕組みを踏まえて、損益計算書にある「売上原価」と「販売費及び一般管理費」を「変動費」と「固定費」に別けていただき、下記の式により算出します。

この損益分岐点分析では、「変動費」と「固定費」に分けることが一番難解に思われるのではと思います。たとえば、給与は「固定費」なのか、それとも忙しくなれば給与も上がるので、「変動費」なのではと思われるかもしれません。このような場合、別けてすべきなのですが、まずは細かくは考えずに、「固定費」と「変動費」の二つに経費を分けていただき、下記の算式にて損益分岐点を算出してみてください。次回に続きます。

損益分岐点 = 固定費×1/(1-変動費/売上高)

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