事務所通信

「財務分析」~その⑧~

今回も損益計算書の分析についてお話します。今回は、「売上」と「営業利益」の数値で分析を行なう「売上高営業利益率」についてご説明します。

「営業利益」とは売上総利益(粗利益)から売上に必要となる経費(販売費及び一般管理費)を引いたものです。

この「売上高営業利益率」は前回の「売上高販売管理比率」と同じような意味を持ちます。というのは、売上高総利益は、営業利益と販売管理費を足したものだからです。つまり、営業利益が1増えれば販売管理費は1減るという関係だからです。

この「売上高営業利益率」は高ければよいのですが、業種や規模により基準が変わりますので、まず同規模・同業種との比較が有効です。また、過去の数値と比較しその変動を検討するのがよいと思われます。

では、具体的な検討方法としては、この「営業利益率」が他社と比較した場合に、少しでも低ければ売上総利益(粗利益)に対し、販売費及び一般管理費が高い、つまり余分な経費があるのではということになります。これは前回の「売上高販売管理比率」のお話に繋がります。次に、過去の数値と比較した場合、「営業利益率」が上がったとします。となれば、「売上高販売管理比率」が下がったとなりがちですが、そうでなく変動がほぼないとします。この場合は「売上」が上がった、つまり単価が上がったということになります。逆の場合として、「営業利益」が下がり「売上高販売管理比率」が変動なしの場合は「売上」が下がった、つまり単価が悪くなったということになります。このように、これらの分析を組み合わせることによってより詳細な原因を見つけることが出来ると思われます。

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