事務所通信

「財務分析」~その⑦~

今回も引き続き、損益計算書の分析についてお話します。以前に載せました損益計算書の図を参照してください。その中にある、「売上」と「販売費及び一般管理費」の数値を基に分析を行なう「売上高販売管理比率」というものをご説明します。

この「売上高販売管理比率」というのは、売上高に占める販売管理費を表し、売上高に対する販売費及び一般管理費の負担を検討することが出来るというものです。

算式は、販売費及び一般管理費÷売上高×100です(下図)。

この数値が低ければ、低いほど売上に対して企業活動に必要な給料などの諸費用がかかっていないことを示します。販売管理費の中には固定費の要素を持つものが多いため、仮に営業利益がマイナスとなった場合は、販売管理費率を減少させる、特に固定費の見直し、削減の努力が必要となります。

具体的な検討方法としては、前年・前前年度の決算書の「販売費及び一般管理費」と比較してみてください。

たとえば、売上高が下がっていればこの「販売費及び一般管理費」も下がっていると思われます。しかし、前年同様である、もしくは、増加していれば問題がある可能性が高いということです。

その原因が「広告宣伝費」であれば、果たして必要な費用であるかの検討をおこなったり、また「給与」であれば人材が過剰ではないかなどの見直しが出来るということです。ただ、本当に必要な削減かどうかの検討は慎重に行なってください。特に、「給与」の変動は「人」のやる気に大きく係わりますので、より慎重な検討がいるのではと思われます。

<算式>
売上高販売管理比率 = 販売費及び一般管理費 / 売上高 * 100

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