事務所通信

「財務分析」~その⑥~

今回は損益計算書の分析の中で、売上高総利益率のお話をします。

売上高総利益率は売上高に対して売上原価を差し引いて、売上高に100をかけた数値によって算出します(前回の図を参照してください)。簡単に言えば、売上高に対して粗利益が何%とあるのかを見る指標です。

ここで、「売上原価」「販売費及び一般管理費」の違いについてふれておきます。

実は、この「売上原価」というのは結構難しいのですが、簡単に言うと売上に直接要した費用、例えば製造業の場合、材料費や労務費、販売業の場合、仕入れ価格と思っていただければと思います。

一方、「販売費及び一般管理費」は、会社の通常の営業活動に要する費用という感じです。

つまり、サービス業などの場合は売上原価がないため、この比率は100%となります。

当然この比率は高ければ高いほど良いのですが、活用としては同業他社や過去の業績と比較することが有効となります。

たとえば、全年と比較し、売上が変わらないのに当期利益が下がったとした場合は、まずこの「売上高総利益率」を前年比較し、変動があれば、売上原価のどこに問題があったのかを検討・改善するなどに役立てることが出来ます。

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