いつもお世話になっております。先日は、事務所セミナーにお忙しい中、お越し下さりありがとうございました。
前回、税制改正の概略に触れましたが、2009年度の議論もいよいよ本格化して【法人税率の引き下げ】、【消費税の抜本改革】を焦点に進んでいくようです。
この流れは、自民党税制調査会(以下、税調)での方針ですが、例年その【大綱】を12月中旬に発表し、それを受けて年明け1月中に【閣議決定】、そして3月【国会承認】というのが通例です。
内容としては、①消費税を含む税体系の抜本改革の道筋を示す【中期プログラム】の策定、②法人課税の実効税率引き下げによる国際競争力の強化とされています。
解説しますと、①の消費税に関しては社会保障の安定財源に位置づけて、個人、法人、資産の各課税を全体的に見直した基本方向を年内に示すこととしていますが、来年9月に任期満了となる衆議院の選挙を控えて国民の痛みを伴う税制論議は抑制され、具体的な税率の明記に至るかどうか・・・。加えて、麻生首相が3年後に消費税率を引き上げる考えを表明し、経済財政諮問会議も後押ししたものの、税調は生活必需品の値上がりを背景に、『時期は見極めるべき』との慎重論を発表し、党内で一枚岩の体制ではない状態です。
消費税は収入の少ない人ほど負担感が強まるうえ、増税は個人の消費にはマイナス要因です。そのため税金を払えない低所得者に【定額給付】というのも普通に考えるといかがなものか・・・、選挙のため押し切るのか注目です。
一方、法人税関係は、国税と地方税をあわせた実効税率(40.69%)が焦点です。よく言われる国際比率では、韓国が27.50%、中国25.00%、ドイツが29.83%等々を上回り、『企業立地が進まず競争力の低下が問題』と経済団体が引き下げを求めているとのことです。それらの目処がついたら【住宅ローン減税の拡充】、【証券税制の優遇措置の延長】、【省エネ化促進の投資減税】等々、各制度に着手という段取りです。
これから新聞、ニュース等で報道される税制制度に注目していてください。