事務所通信

源泉所得税⑲

前回まで実務上よく見かける源泉所得税についてご説明しました。そこで今回と次回で、この源泉所得税の納付と納付が遅れた場合の延滞税などについてご説明したいと思います。

まず、源泉徴収した所得税(復興特別所得税を含む)は、原則として、給与などを実際に支払った月の翌月10日まで納める必要があります。

ただ、給与の支給人員が常時9人以下の会社である源泉徴収義務者は、源泉徴収した所得税を半年分まとめて納めることができる特例(納期の特例といいます。)があり、対象の会社の方にはご活用頂いております。

そして、半年分をまとめて納付することのできる源泉所得税は、①給与や退職金から源泉徴収をした所得税、②税理士、弁護士、司法書士などの一定の報酬から源泉徴収をした所得税となります。

そして、この特例を受けているとその年の1月から6月までに源泉徴収した所得税及び復興特別所得税は7月10日、7月から12月までに源泉徴収した所得税及び復興特別所得税は翌年1月20日がそれぞれ納付期限になります。

ただ、ご注意いただきたいのが「源泉所得税⑯」でご説明しました、講演料や原稿料などの報酬を支払った場合(上記①と②以外の報酬等)における源泉所得税は、納期の特例の対象にはなりませんので、支払った月の翌月10日までに納付の必要があります。そしてこの場合、納付するための納付書の様式も違いますので、事前に税務署で発行して頂く必要があります。

また、この源泉所得税を半年分まとめて納付する納期の特例は、給与の支給人員が常時9人以下であることが要件となりますので、給与の支払人員が10人を超えればこの特例の対象とならず、翌月の10日までに納付する必要がありますので併せてご注意ください。

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