今回は役員や従業員の方に給与・賞与以外に給付した金銭について、源泉所得税の対象となるもの、ならないものについてご説明したいと思います。
まず、「結婚祝金」として結婚される方に祝い金として支給した金銭や「見舞金」として本人やその家族の方に対する金銭は非課税となり源泉所得税の対象とはなりません。
また、業務外に社会的に顕彰され、会社に栄誉を与えた従業員に対する「賞金」を支給した場合も源泉所得税対象とはなりません。また、このような「賞金」は一時所得の対象となりますが、控除額である50万円を超えない限りは申告の必要もありません。
ただ、これらの「祝金」などの支給金額は、社会通念上相当額でなければなりませんので、あまり高額になりますと源泉所得税の対象となります。そのため、支給額を決定する場合、一定の基準をもって支給していただく必要がありますので、社内規定などを定めておかれることをお勧めします。
次に成績優秀者に対して海外旅行など高額なものを招待した場合は、その性質が勤務の対価としての性質を有しますので、こちらは源泉所得税の対象となります。また、1年間の「皆勤賞」として別途支給した金銭なども勤務の対価としての性質がありますので源泉所得税の対象になります。
最後に役員や従業員の方に「商品券」を支給した場合、上記の「賞金」の変わりに支給するのであれば特に源泉所得税の対象となりませんが、名目がないものについては給与や賞与として取り扱われますので源泉所得税の対象となります。
今回はよく見られます給与・賞与とは別に支給される金銭についての源泉所得税の必要性についてご説明しました。支給目的と金額の適正に問題がなければ源泉所得税の対象になることはあまりありませんが、給与や賞与以外に金銭を支給する場合は源泉所得税の必要性の有無についてくれぐれもご注意ください。