今回も前回に引き続き、実務的に判断の難しい減価償却資産の個別事例についてご説明させていただきます。
製造業や加工業などにおきまして機械の購入がある場合、その機械の据付費や配線の工事費を支払う場合があると思われます。その据付費などは機械とは別物であるため、全額経費と思われる方が多いのですが、税務上はこの据付費なども機械の取得費に含める必要があります。
つまり、機械などの減価償却資産を購入した場合、その機械の購入代金とその機械を事業の用に使用するために要した費用の両方を合わせた金額全額が減価償却資産となります。
また、機械の取得と併せてソフトウエアを購入する場合も、機械の取得費に含めた全額が減価償却資産の対象となります。ただ、このソフトウエアが機械などの運用において基本的に必要な物ではなく、個別的な物であれば無形固定資産に該当するため、機械とは別に減価償却をすることになります。(ソフトウエアなどの無形固定資産は5年で償却することになります。)
このように、機械の購入や初期運用に必要となる支出は、その機械の購入金額に含めて全額を減価償却資産とすることになります。ただ、機械の購入の為に金融機関から借入をした場合の借入利息につきましては、その支払いの都度経費となります。
以上のように機械などの高額な資産を購入した場合、機械の購入費用以外の支出が多く見受けられ減価償却資産になる支出と経費になる支出があり判断が難しいことありますので、購入前や購入後には当事務所までご相談を頂ければと思います。