事務所通信

減価償却④

今回は前回ご説明しました減価償却の計算方法である定額法と定率法の具体例をご確認頂ければと思います。

まず、例としまして取得価格100万円、耐用年数が4年の資産を購入したとします。

定額法は「減価償却費=取得価額×定額法の償却率」で計算されるため、こちらの式に当てはめますと減価償却費は以下のようになります。

1年目:1,000,000×0.250250,000

2年目:1,000,000×0.250250,000

3年目:1,000,000×0.250250,000

4年目:1,000,000×0.250250,0001249,999

4年目の減価償却費は本来250,000円ですが、備忘価格として1円を残しておく必要があるため、249,999円が減価償却費はとなります。

(償却率の0.250は「定額法の償却率」の耐用年数省令別表第八に規定されています。)

次に、定率法は「減価償却費=未償却残高(年初の帳簿価額)×定率法の償却率」で計算されるため、こちらに当てはめますと減価償却費は以下のようになります。

1年目:1,000,000×0.500500,000

2年目:(1,000,000500,000×0.500250,000

3年目:(1,000,000750,000×0.500125,000

4年目:(1,000,000875,000×0.50062,500 → 124,999

4年目の減価償却費は本来62,500円ですが、減価償却期間が4年のため、最終年度は備忘価格1円を残してすべて償却することになります。

(償却率の0.500は「定率法の償却率」耐用年数省令別表第九、十に規定されています。)

このように、定額法は毎年ほぼ同じ額が減価償却費となりますが、定率法は最初が大きくなり、後々は少なくなっていきます。また、1年目の減価償却費は1年間使用したという前提ですので、もし半年経過後に資産を購入し使用された場合、12分の6を掛ける必要がありますのでご注意ください。以上、計算が少し複雑に思われると思いますので、イメージとしてとらえて頂ければと思います。

(定率法の計算はもう少し複雑な過程が入るのですが、今回の例では問題ありませんので割愛させて頂いております。)

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