今回は、前回の続きとして手形について見ていきます。
手形も小切手と同じく当座預金を使い支払や受取りに使うのですが、小切手と大きく違うのが手形には「期日」があるということです。
つまり、何かの支払で手形を渡した場合、その手形に書いた支払期日まで当座預金から代金が自動的に引き落とされることはないので、その間、資金を有効に使ったり、準備することができます。
反対に、代金を回収するのに手形を受け取った場合は書かれた日まで当座預金にお金が入ってきません。
では、商品1万円を仕入れて手形で支払った例をみてみます。
ここでもやはり現金で支払った場合の仕訳を考えてください。そして、現金の代わりに手形で置き換えてください。
ただし、手形を使って支払うときは、単に「手形」ではなく「支払手形」という勘定科目を使いますのでこの勘定科目名は覚えてください。その仕訳が①です。そして、期日が到来し、当座預金から現金が引き落とされたときの仕訳が②です。
逆に何かを売上、その代金回収を手形で回収した場合の仕訳が③です。
ただし、このとき受け取った手形の勘定科目名は「受取手形」といいますのでこの名前も覚えてください。また、この受取手形の期日がやってきて当座預金にその金額が入金されたときの仕訳が④です。
ここで重要なのは前回で取り上げた小切手と違い、手形は当座預金に預け入れても期日がくるまでは現金になりません。なので、③の仕訳でいきなり借方を当座預金にすることはできないのです。これが小切手と違うところですね。
(借方)仕入10,000 (貸方)支払手形10,000 ①
(借方)支払手形10,000 (貸方)当座預金10,000 ②
(借方)受取手形10,000 (貸方)売上10,000 ③
(借方)当座預金10,000 (貸方)受取手形10,000 ④