今まで、簿記の仕組みや勘定科目の説明、それを説明するための簡単な仕訳などのお話しをしてきました。本来は、もっといろいろな勘定科目の説明や仕訳をご説明していきたかったのですが、紙面上、この辺で止めさせていただき、今回からは、貸借対照表と損益計算書についてお話させていただきます。
まず、損益計算書からお話をしていきます。
損益計算書とは、1年間の会社の経営成績を示す計算書で、簡単に言いますと、どれだけ収入があって、どれだけ経費がかかった結果、当期の利益(損失)はいくらかを示すものです。
経営者の方が一番気にされておられる利益(損失)を示すものですね。
ただ、期中であれ、期末であれ経営者の方が考えておられる利益(損失)と損益計算書での利益に食い違いが出てくることがよくあります。
その原因は何点かあるのですが、主だったものとして資産の購入があります。
高額なものを買われた場合、会社のお金は減るのですが、それがすぐに費用とならないからです。これは前回お話した減価償却という方法で、何年かに渡り少しずつ費用になっていきます。見方を変えれば、翌年以降は、お金が減らずに減価償却費として、費用が増えるのでこちらも食い違いの原因ですね。
あと、借入金の返済があると思います。借入金を返済すると、当然、手元のお金は減って、利益が出ていてもお金が手元に残りにくいため、こちらも錯覚してしまいがちなパターンとなってしまいます。
このように経営者の方は現金の出入り(キャッシュフロー)を重視してしまうため(当然です)、損益計算書の利益との食い違いが発生してしまうのです。