今回は働いていらっしゃる社員の方に関連する分析を取り上げてみます。売上高と人件費・社員数に係わる分析です。
まず、「売上高人件費率」を見てみます。数式は左下の上の式です。これは、売上高に対する人件費の比率を表し、この比率が大きいほど人件費の負担が重いことを意味し、逆にこの比率が小さいほど人件費の負担が軽いことを意味します。
しかし、利益を優先する為にこの比率を下げようとすると、それは社員の給与の低下、もしくは人手不足による重労働に繋がって社員の士気低下に繋がりますので注意が必要となります。したがって、この比率は前年比較や自社の基本数値を設定することによって検討することが望ましいと思われます。
次に、「社員一人当たり売上高」を見ます。数式は下段にある下の方の式です。これは社員一人当たりに付きどれくらいの売上を生み出しているかを示し、高ければ高いほど会社に利益を生み出す社員の生産性が高いことを意味します。
これは社員のやる気や設備の充実などが大きく係わってきますので、単独で検討するのではなく社員に対する福利厚生の結果や新たな設備投資の結果、どのように数値が変動したかを見る必要があります。
このように経費の中で人件費の占める割合はかなり大きなものなので、これらの分析を用いて多面的に検討することが重要と思われるので、是非検討してください。
売上高人件費率 = 人件費 / 売上高 × 100
社員一人当たり売上高 = 売上高 / 社員数