今回は退職金を支給した場合の源泉所得税についてご説明します。

 役員又は社員の方に退職金を支払うときには、所得税及び復興特別所得税を源泉徴収して、原則として、翌月の10日までに納める必要があります。

 ただ、退職金に対する源泉徴収の仕方は、退職する人から「退職所得の受給に関する申告書」の提出を受けている場合と受けていない場合とで異なります。   
  
 ※「退職所得の受給に関する申告書」の提出を受けている場合

 まず、退職する人の勤続年数を計算し、下記の表に当てはめます。

勤続年数(=A) 退職所得控除額
20年以下 40万円×A(80万円に満たない場合には、80万円)
20年超 800万円+70万円×(A-20年)   
  
 たとえば、勤続年数が10年で退職金の支給額が800万円の場合であれば、退職所得控除額 40万円×10年=400万円 退職所得金額(800万円-400万円)×1/2=200万円となり、この200万円が源泉所得税の対象となります。

 そのため、計算の結果、退職所得金額が発生しない場合は、源泉所得税も発生しません。ただ、上記の退職所得金額の算出におきまして、勤続年数が5年以下の法人役員等の場合、計算過程で1/2にしませんので、退職所得金額は400万円になります。

 ※「退職所得の受給に関する申告書」の提出を受けていない場合

 この場合は、退職金の金額がいくらであっても、一律20.42%の所得税及び復興特別所得税の額を源泉徴収しなければなりません。   
  
 そのため、退職金が10万円であっても10万円×20.42%=20,420円を徴収することになりますのでご注意ください。ただ、退職金の支給を受けた人が確定申告をすれば、納め過ぎの税金は戻ってきます。

 今回の退職金の源泉所得税につきまして、「退職所得の受給に関する申告書」を退職される方が記載し会社に提出するかしないかで源泉所得税が大きく変わりますのでご注意ください。また、この申告書は所得税法で定められた所定の用紙がありますので、必要な方は当事務所までお尋ねください。